「ついさっき声に出していた英文が 今はどうしても思い出せない」
「さっき 語順をまなんだのに、今それを再現できない」
「ヒントをもらいやっと書けるようになった単語が 5分後には思い出せない」
こんなお悩みを持つお子さんは 教室に1人や2人は必ずいて、とても切ない思いをしていると思います。
記憶する、というのは とても奥が深いらしいです。
何度もやったのに定着しない~!というお悩みをもつお子さんをどうやって励まし続け、
どうやって自信をつけさせて導いていったらいいのでしょうか。
英語教室でいろんな弱さのタイプを持つお子さんを教えてきた経験から得られたヒントは、、、
まなぶ目標を「何も見ずに完璧に思い出す」ことから、「テンプレートをみながら思い出す」ことへ 変えてみる。
というものです。
例えば、アルファベット26文字。完璧におぼえるまで次に進めない!と思い込むあまり ず~と同じ段階で半年や1年間とどまっていては お子さんも辛いし、新しい英語表現や会話に触れる機会がとても少なくなってしまいます。
どうしても思い出せない文字があるなら「26文字表」を手元において、いつでも見られる状態を作ってあげる。定期テストのときも 参照してよいことにする。
そうすれば安心して 次の学びへ進めるのでは?
ちょうど、大人が漢字を思い出せないとき、辞書を引いたりスマホで検索するのと同じです。参照すれば「あ!これだ!」と認識できるのなら、その段階まで学べば良しとする。
もう一つの例では、be動詞の文を 肯定文、否定文、疑問文へ変化させる課題について考えてみましょう。
”This is an owl." (これはフクロウです)という肯定文を聞いただけで、何も頼らず否定文、疑問文を作って口から言う課題は 音の記憶の定着に弱さを抱えるおこさんにとって、とても難しいです。
たとえ文字で書いてあっても、否定文、疑問文を作り出す作業は 単語の認識や文法の認識、法則の応用に弱さを抱えるお子さんにとっては 何も頼らす自力でしあげるのは大変難しいのです。
(思い出すのが難しいお子さんが「絶対に何も見ずにかんぺきな文を書くことを要求される」暗記中心の定期テストで得点するのは、非常に難しい。テストが単語や文法の暗記中心の能力を測るために作られているからです。)
記憶に弱さをもつお子さんを指導するときに、比較的うまくいったのは、
「参照してよいテンプレートを作って掲示してあげた」ときです。
・アルファベット26文字表をいつも見られる。(→迷わず書くことができる)
・英語のフォニックスが覚えられないならフォニックスルール表をいつも掲示しておく。
(→迷わず読むことができる)
・be動詞の文と一般動詞の文のテンプレートをいつも掲示しておく。
(→テンプレートを基準にして、語句を入れ替えれば 沢山の英文を作れるようになる)
テンプレートを参照しながらであれば、新しい文を口頭で作れるし、ノートやドリルに書くこともできる! 何よりも、「自分でも言えた!自分でも書けた!」という喜びを味わうことができるので、「学んでいる」という実感が得られることが大切なのです。
学びを進める原動力になるのは、 お子さん自身が「これならできる、わかる」と感じる体験です。記憶に弱さを感じているなら、ぜひ、「テンプレート」を用意してあげたうえで、レッスンを進めてみてください。
定期テストを作成する学校の先生方にも、「テンプレート」を見ながらでも文が自分で作れるようになることが 立派な学習目標になることを ぜひぜひ知っていただきたいですね。
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