書かれた文字(単語など)を、左から順番に音へと変えていき、一つ一つをつなげて読むことを デコーデイングdecoding といいます。その逆に、聞こえてきた音や頭に浮かんだ単語の音を はじめの音から順番に当てはまる文字に置き換え 左から書き出していくことを エンコーディングencoding といいます。
熟達した”読み手”は 頭ではいちいち考えずに 自然に目が左から右へと動き、同時に音声化して読んでいるし、熟達した”書き手”も 頭に浮かぶのと同時に手が動いて文字を書き記します。
でも、まだ入門期の 例えば中学1年生のお子さんは、デコーデイングに慣れていません。表音文字であるアルファベットの文字列を 一瞬で左→右へ正確に読み取ることは、かなり難しいと思わなければないません。 それは 目が左→右への動きに慣れていないからかもしれません。目は動いていても、文字の形の「正しい読み取り」に 時間がかかっているかもしれません。 さらには正しく形が認識されても 「ええと、この音なんだっけ~?」と考えているうちに直前に思い浮かべてあった音が 頭から消えてしまうからかもしれません。
私がこれまでのレッスンで出会った例では、
〇 3文字単語の子音が 入れ替わってしまう (よくあります!)
tip なのに pit と 音読する
入門期が過ぎて中学2年生(1年以上、学校で英語を習っている状態)でも、
〇 history を thirsty と 音読する
〇 sacred を scared と読む
〇 chicken を kitchen と読む こともあります。
原因は、どれも「左から順番に音に変えていく」はずのところを、つい順序をジャンプして読んでしまう、ということにある気がしています。
特にhistory を thirsty と音読しているのを聞いたときは、とっさには何故そう言い間違えるのかがわかりませんでした。内容から考えたら あり得ない選択肢のように思えたからです。
でも、よく考えたら 音を思い浮かべてもすぐに「意味」と結びつきづらいお子さんはたくさんいますよね。読み間違えていたとしても、意味を考えるところまで余裕がないのです。
英語を教えている先生は、お子さんがいわゆる「読み間違い」をしたときに、なぜそう音読でしまったのかを よ~く よ~く 観察しましょう。
ここで挙げた例のように、左から右へ順番に音声化することができていないことがわかったら、1音節の単語 2音節の単語にもどり ゆっくり1つ1つの音を 左から順番に音に変える練習をしてみる必要があると思います。
もしかすると、特定の文字が使ってある単語だけが音読が難しいのかもしれませんので、
よ~く よ~く 観察して 苦手とする単語の読み練習を してあげてください!
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