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執筆者の写真hoppeta

単語の語尾だけにおきる 接尾辞(sとes)の使い分けは「発音がしやすいかどうか」

更新日:2023年7月7日

英語のASD傾向のあるお子さんに英語の文法を説明していると、思いがけない質問を受けることがあります。 かえって「こういうところで疑問にぶつかるんだ!」と 私の方の学びが多いのです。お子さんに教えてもらっている、ということが心からわかる瞬間で、私は好きです。


この間もこんなことがありました。


「3人称現在形の動詞につくs」、いわゆる「3単現のs」には、なぜ sだけをつけるときと、esをつけるときと、2とおりあるのか。


皆様はどのように説明されるでしょうか?


「動詞の最後の文字が s z sh ch x で終わるとき、esをつける」

このように理解をしていることが多いですよね。


発音してみるとわかりますが、s z sh ch x のあとにsを発音しようとすると

前歯のすぐ後ろに舌があるので、改めてsを発音しようとしても とにかく発音しにくい。

それに、どこからどこまでが動詞本体の発音で、どこが 付け足したsの発音なのか

発音している本人も さっぱりわからない!という事態に。


しかたがないので、クッションのようにeをはさんで 


miss misses

quiz quizzes ( zが二つに増えるのは、母音iの発音を変えないようにするため)

mix mixes

wash washes

catch catches


こうすれば es(イズ)の部分は付け足した「3単現のes」であることが 口頭でのコミュニケーションであってもハッキリして、とても具合がいい!というわけです。


と、ここで お子さんから質問がありました。


「s の次にsの音が続くときには 他のどんな時でも 言いにくいからやはりesに変化するのですか?」

という質問です。


質問された瞬間は、??? 一瞬 質問の意味がわかりませんでした。


よくよく聞いてみますと、次のような内容であることがわかりました。


例:This singer is famous. (この歌手は有名です)

 

上の文のように、単語の語尾と次の単語の語頭が 双方ともにsの発音のようなときにも、言いにくいからesへと形が変化するのではないか? という仮説を このお子さんは立てていたのです。


例文でいうと、 This esinger is famous.

と変化するのか?という疑問でした。


なるほど~!

自分のこれまでの説明では発音部分にだけ注目しており、文法的な背景が足りなかったのですね。

 

This esinger is famous...× このような文に変化することはありません。


「”一つの単語” が文法的なルールにのっとって機能的に語尾変化するときだけ

s→esの変化がおきる」

この説明が 足りていませんでした!


別の2単語が sとsという同じ音で続いてならんでいても、この変化は起きない。まったく別の単語だから。もし 別の文字であるeを次の単語の語頭につけてしまうと、違う単語に意味が変わってわってしまう可能性がある。 動詞や名詞や形容詞や副詞などの単語におきる機能的な変化(s/es, d/ed er est ) は 語尾だけが影響を受ける

だから、この文のように sとsが二つならんでいても 2つ目のsは語頭なので自然につなげよみをしてOK.

さらにいうなら、

文字で書いてあるものは かならず 単語と単語の間が空いているから、書き手も読み手も 別々の単語であることがはっきりしている。どこからどこまでが単語なのか? という区別ははっきりとわかるから 「sは語尾の接尾辞なのかどうか、区別がつくだろうか?」という心配いらない。


と、

このように説明しました。


「なるほど、単語と単語の間をかならず空けて書くから、どこまでが1つの単語かと、迷うことはないのですね!」というお子さんのコメントをききながら、考えました。


そもそも英語には「単語と単語の間は 必ず1文字分ずつ空けて書く”分かち書き”ルールがある」ということを 目で見ているだけでは気づかないお子さんがいるということです。

口頭でも何回か このことには触れていました。

分かち書きルールが反映されている、実際の英文も何度も目にしていました。


けれども、「分かち書き」が 語尾だけに適用される接尾辞のルールを見分けるための、鍵になっているということに 私はこのとき ハッキリと意識することができました。


とっても勉強になったレッスンでした。(私が💦)


ひょっとして、英語の文法でつまずくお子さんの中には、このように、背景になっている英語の「書くときのルール」や「文法構造全体」を知ることができれば、納得して前へ進めるお子さんも数多くいるのではないか。



そんなことも考えた一日でした。






  
















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