中学1年生も終わりを迎えようとしているお子さんの教科書に びっしりとカタカナがふってあるのを目にすることがあります。
「時間がかかったでしょう?自分でふってきたの?」と尋ねると「お家でお姉ちゃんに聞いて音を全部カタカナでふってきた」というのです。
お子さんは「読めるようになりたい!」一心で 家で準備をしてきたのです。いったいどのくらい時間をかけてきたのでしょう。
教室で指名されて教科書を音読したり、ロールプレイを友達と行ったりするには、とにかく「文字の状態から音の状態へ」自分で変更できなければなりません。
でも、「文字を音に変える」方法を知らないとしたら、音の丸写し、いわばコピーをするしかなくなります。
中には、すべてを「耳からの音」でコピーしてしまうお子さんもいます。よほどの暗記力がないとできませんね~。それはそれで、すごい能力です。
耳から覚えるのが苦手なお子さんでは、「音を カタカナでふって記録(コピー)しておく」という方法を取ったりします。
教室では 音読ができてとりあえずほっとしていることでしょう。
でも、音読ができているように見えても、このお子さんたちは「暗記した音を再生して」いたり、「ふってあるカタカナを読んで」いる、ということになり、本当に書いてある単語や文を「その場で音声化して読んでいる」のでは ないのです。
習っていない単語を目にしたとき、初めて読む英文を目にしたとき、音読するのは おそらくとても難しいでしょう。たとえ声にださなくても 心の中で文字を「音声化」することができなければ、意味を理解したり文の構造を理解するのはとても難しい作業になってしまいます。
教室の先生は たとえ「口から音が出ている」お子さんであっても、本当に文字を拾って音読できているかどうかぜひ見てあげてほしいです。そして、もし教科書にカタカナが振ってあったら、決して叱ったり批判したりしないで「こんなに時間をかけて準備してきたなんて、えらい」とまずは努力を認めてあげてくださいね。読めるようになりたいからこそ、努力しているのですから!
そのうえで、「実は文字には音があって、その音を1つずつ覚えていけば、暗記しないでも読めるようになる。単語の音を覚えていれば、一つ一つを文字に書き出せば 暗記していなくても書けるようになる。一緒に 文字と音を覚えていこう」と声を掛けられる先生でありたいですね。
英語の読み書きができるようになるには 部分的には「暗記」が必要な単語もあるけれど、7割くらいの単語は 「1文字1音」対応のルールで音の種類を覚え、特殊な文字並びのときに音が変わるルールを覚えれば、「読める、書ける」ということを 先生にもお子さんに知ってもらいたいです。
「どこまで暗記やカナフリを続ければいいんだろう、、いつか限界にちかづくんじゃないか?」と不安におののいているお子さんにとって、別の方法があるということは どんなにホッとする希望になることか! 「もういいや、カナフリしたって読めるようにならない」と勉強そのものをあきらめてしまうお子さんにも ”この道があるよ” 示せる道しるべになります。
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