今日は、「文法」をいかにわかりやすく お子さんに見せられるか、というテーマです。
英文の語順(SVCやSVO)、単語の持っている性質(主語 動詞 副詞 形容詞 など)をお子さんが理解するためには、「目に見えないルール」を説明する必要があります。
たとえば ”I play basketball.” 「I=主語Sです」という情報は、どこにも書いてありません。文字として、ここに注意書きがあるでしょ、と目で見ることができません。同様に、音声で耳から聞く情報の中にも 「I=主語Sです」というささやきが聞こえてくる、なんてことはありませんよね。
お子さんにとっては 「どこにも情報がないのに、どうして そんなことがわかるんだ?」と非常に不思議なわけです。
それなら、文字ではなく、ほかの方法で”目で見られる”ようにしたら、わかりやすくなると思いませんか?
ひとつのアイデアは 単語の持つ性質を「色」で表してしまう方法です。
A 色ペンで「フォントの色」を品詞ごとに変えて書くこともできるし、
B 単語一つ一つをカードにして、カードの色を品詞・文中の役割ごとに変えてしまうこともできます。
A 白または黒のカードを使い、色ペンを6色使い分けます
長所:カードの色を多種そろえる必要がないので 材料は簡単
短所:筆記具をいちいち持ち替えるのが面倒で、色を書き損じることも多かったのが残念
B 多色のカードを使い、筆記具は黒または白鉛筆 を使います
長所:筆記具を持ち替える必要はほとんどなく作業がスムーズ
短所:まとまった枚数の色カードを多種類用意しておくことが必要です
金や黒のカードは市販されていないため、画用紙を購入して自分で切りました
それぞれ短所・長所がありますね~。個人的にはAはめちゃくちゃイライラしてしまったので、Bに落ち着きました。100円ショップで4色セットの名刺大のカードが買えるのでこれはたすかります!
例えばこんな感じ。
5文型を色カードで並べてみました。
主語は白 動詞はピンク 補語は黄色 目的語は青 吹き出しマークは飾りの副詞
助動詞は黒字に白抜き 疑問詞は金色 など。
カードの利点は、自分の手を使って 沢山の単語カードの中から「適切なカードを選んで取り出し」、それを「順番に並べる」という作業が経験できること!
トランプの「7並べ」をするように、自分の頭で順番を考えて たとえば「最初にHeだから、次はplays が来なくちゃいけないんだ」と ”作戦”を立てる時間が作れるのです。
その”作戦”が =方略=文法 なのです。作戦を立てている時間は、文法を意識している時間です。
英文を トランプのようにカードを並べて再現する活動をすると、お子さんがどこまで理解をしているか どこまで単語を聞き取れているかを 確かめることもできます。
たとえば 「指導者が言った英文を聞いて、リピートする」という課題が難しいとき、「聞こえた英語のカードを拾って順番に並べること」で まずは単語の順番が聞き取れているかどうかを判断できますね。
Step 1
正しく単語カードを拾います。(順番に聞こえているか、単語を1つずつ拾い出せたか、がわかります)
Step 2
カードを指しながら、1つずつ発音し「色」で意味や役割を確かめます。
Step 3
カードとカードの間の間隔をつめ並べなおして、素早く読む練習をすることができます。
Step 4
特に強調して発話する単語があれば そのカードを少し上に配置することで イントネーションも視覚的に理解することができます。
少々準備に手間はかかりますが、カードを活用することは、品詞と語順(文型)を
「色」「並べる順番」をとおして理解することができる、優れた方法だと思います。
もちろん、裏側に日本語で意味を書いてヒントにするなど、お子さんに必要な工夫を加えてくださいね!
私は 中学生にほぼすべての文をカード化して教えました。
でも、読むことにエネルギーをたくさん使う必要があるお子さんには、莫大な量のカードを操作しなければならず、あまり効率が良くありません。
その時は 基本となる5文型だけでも 作って試してみてくださいね。
この5文型の”5文”を覚えられたら、自分の頭の中に「ひな型」を作ったことになります。いろいろな文に遭遇しても、頭のなかでこの「ひな型」を参照することができれば 意味をなんとなく 想像できるようになるので これはお子さんの強い武器になりますよ。
一人でも多くのお子さんにヒットしますように!
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