英語の文字をよんだり書いたりするのが苦手なお子さんの中には、手指がうまくコントロールできずに アルファベット特有の線の流れが書けない、という悩みを持つ方がいます。
アルファベット文字特有の線の流れとは、
たとえば、
①「反時計回りに上から曲線を描く」全文字数の約1/3
a c d e f g o q s (9文字)
②「書いた道を戻っていく線がある」全文字数の約1/3
b d h m n p r u (8文字)
などです。
試しに、日本語のかな文字のなかで①②に該当する文字が何文字あるかというと、
①て と を (3文字)
②ね れ わ ん (4文字)
あえて見つけ出せば、この7文字しかありません。
つまり、日本語を長年学んできたお子さんの中に、反時計回りの曲線や まっすぐ来た道を戻る線を書く ということに全然慣れていない場合があっても 何ら不思議はありません。
日本語のかな文字と英字の運筆方法の違いが原因で、「英語を上手に書けない」「書いても字が整わずに あとから読めない」ことが起こり得るのです。
また、日本の漢字には存在する「はね」や「はらい」を練習してきたお子さんの中には、アルファベット文字も 最後を「はらい」のように書いてしまうときがあります。
すると、線の長さによって文字を区別したり、線と線が接合しているか/いないかで文字を区別したりするアルファベットでは、識別が難しくなってしまう場合があるのです。
例)i と j o とu u とy rとv の区別が難しくなります
さらに、そのお子さんが もともとの手先の不器用さを持っていたとしたら、英字を書く難しさは増します。日本語の授業での筆記が苦手なお子さんは 英語の筆記はもっとハードルが高くなります。
そこで、よく言われる「筆記体を使って最初から指導したら、書くことが楽になるかも」ということを実践で試してみました。
私自身も、筆記体がいいよ、というコメントはたびたび聞いていたのですが、お子さんによって好み(教科書体で書きたいなど)があるため、なかなか筆記体でやりたいというお子さんに巡り合う機会がありませんでした。
しかしこのたび、長年教科書体を書くことに苦手意識を持っていたお子さんと出会い、筆記体の指導を行えることになりました。
次回の「筆記体で書く練習をしてみると、不器用さの改善に効果ありました!その2」では
筆記体を使うとどのような学びやすさ、書きやすさ、覚えやすさがあるのかを ご報告します。
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