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英文の語尾を上げて発話する、下げて発話する、という音の表出が難しい子供がいる

  • 執筆者の写真: hoppeta
    hoppeta
  • 11月22日
  • 読了時間: 3分

かなり前に教えていた中学生の男子に、アクセントの概念がなかなか理解できなかったお子さんがいました。

アクセントは強勢 といいます。自分は「強く、高く、長めに」発音しています。


この、「強く」発音する、とは、音のボリュームを上げるだけではなく音の高さも 確実に上がっていますよね。


先ほどのお子さんは、1つ1つの単語は 指導者そっくりに発音をまねして言うことができ、アクセントも正しい場所でつけることができました。

では、何が難しいのかというと、「アクセントはどこにあった?」という質問に

答えることができない、という難しさがありました。

当時はまだ、「アクセント問題」が定期テストに出題されていたころなので、「アクセントはココ」と指摘できないことは テストの点数に響く時代でした。

このお子さんは、自分の発話ではあっても「アクセントはこの母音」という意識が持てない、つまり明示的に 音韻の特徴を取り出すことが 難しいお子さんだったのでは?と考えます。

自分で出している音のコントロールは無意識だから、「ココにアクセントをつけてみて」というコトバで指示をだしても、その通りにやることができません。

試しに 唄を歌うことは?とふと思いましたが、メロディーをつけることには問題はありませんでした。


際立っていたのが疑問文でした。

文末を上げ調子で発音する、ということを説明して、指導者の直後にそっくりにまねして発話してもらったけれど、最後に すこしだけ上げ調子で読む、ということができなかったのでした。

普段の1つ1つの単語とは異なり、文は全体の流れがあります。その最後の最後に少しだけ上げ調子で発話することが、とても難しそうでした。

そのときは、指導者が指で空中に指揮棒のように上に動かし、語尾を上げる練習をしました。

指につられて語尾を上げて言うことが増えましたが、「語尾を上げなきゃ」ということに意識をとられるので、内容に意識を向けるエネルギーが減ってしまい、スムーズな会話につながらなかった記憶があります。


実は今、教室で学んでいる高校生も、英語の単語や 文の自然なプロソディ(抑揚) をつけるのが非常に苦手な様子です。

単語一覧を読み上げる、という活動では1つ1つの単語を必ず語尾を上げて読むクセがあります。聞いている方は、1つ1つの単語を尋ねられているように聞こえてきます。


以前、ジョリーフォニックスの講座に参加したとき、子ー母ー子 という短い単語であっても、つなげ読み(decoding)のときに母音を高く子音を低くするイメージを 腕の動作をつけて子供と一緒に練習する、方法を学びました。

まさに、この基礎のdecodingのトレーニングを必要としていたお子さんなのかもしれません。以来、かならず発音時には指導者が指を上下させて 語尾を下げながら単語を読む、という練習をしています。ようやく3年ほどたち、自然な単語の読みができるようになってきました。

今年あたりから本格的な作文や読解を始めることになり、文を読む活動をしています。

読んでみると、肯定文や否定文は 1単語ずつ発音するよりもずっとスムーズで自然に発音できることがわかりました。ところが!

やはり疑問文を読み上げるときになると、どうしても語尾が「下がってしまう」現象が起きます。本当に不思議です。


あれほど 単語で語尾を上げてしまう癖を直す努力をしたことが、かえってあだになっていやしないか?


それとも、単語1つ1つを読む意識と、文全体を読む意識は 脳の働きに明確な違いがあってコントロールのレベルが異なるのだろうか?


しばらくは この疑問を胸に、レッスンでいろんな工夫をしてみます。またなにか気づいたことがあったら、投稿しますね。

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