実践編です。
まず始める前に、教科書体というシンプルでわかりやすい文字と、筆記体の2種類を並べてみて、どちらを使って学んでみたいかを お子さんに聞きました。
筆記体を使う利点は 主に次の4点です。
1)「一筆書き」感覚で単語を書くので、ペン先が紙から離れない
2)単語を構成する文字の1つ1つの位置が大きくはずれることがない
3)単語全体の線の流れを体がおぼえるため、スペルに強くなる
4)1単語を1筆で書くので「単語と単語のスペースをうまく開けられない」という悩みから解放される
この説明のあと、お子さんが言った言葉は、「筆記体を書いてみたい!」でした。
そうなんです。筆記体をかくとき、なぜか気持ちが上がりますね。
5)筆記体はあこがれ。練習するモチベーションがアップしちゃう
6)書けると自分に自信がつく
7)書けると友達に自慢できる
筆記体なら書いてみたい、というお子さんは多いのではないでしょうか?
さて。ここからは、毎週のレッスンでどのように取り入れたかをご紹介します。
A.まずは、その週に学ぶ「英語の音 1~2個」とその単語と意味をカードで学びます。(20分~30分くらい)
次に 音と音をつなげて単語として読む読み方を 両手を使って練習。
同じ音に2種類以上のスペルがあり、書き分ける場合は、書き分け方(規則)について
単語を見ながら「なにか気づいた?」とお子さんに直接聞いてみます。
お子さんが気づいたことがあったら どんなに小さなことでも誉めます!
最終的には 書き分けるときの根拠になる規則を一緒に考えながら 言葉書き出してみます。
例)「オウ」という母音は どんなときow と書く?
:単語が「オウ」の音で終わっていたら ow・・ window rainbow shadow
:単語の真ん中が「オウ」の音だったら oa・・ boat coat goal coach
:単語の真ん中が「オウ」でも この2つはou・・ shoulder soul
このようにまとめた規則を表として示し、本当にその規則が正しいかを5~8の単語例を見ながら確認します。
B.そして、いよいよ、規則どおりに単語をかいてみましょう。一回につき、10分程度 2~3単語をモデルを見ながら、規則を確認しつつ、書いてみましょう。
まずは、指導者が単語を一つ 読み上げます。
子供は聞こえた単語をつぶやきながら、見本をみて
机の上で指で筆記体を書く→ミニホワイトボードで書く という順番で書いてみます。
100円ショップなどで売っている20×30センチくらいのミニボードです。
水平線( 基線)が無いため線を気にせずに書けます。
とにかく文字の流れに慣れるためです。
滑らかに書けて、すぐ消せます。
本人にとっても指導者にとっても書いた文字が大きく見やすいので、どの部分がうまく書けていないのかを見つけやすい。
しかも、クイズ番組のように、「書けたかな?じゃあ、1,2,3で見せてね」のように楽しみながら使える筆記用具として とても優れています。
規則を確認しながら書くことを本人が納得するまで何回か行います。
時には、字の形に納得できないと何度も書き直して 自分が読める文字になるまで書き続けることもあります。
C.さあ、いよいよ、チャレンジタイム。(10分くらい)
指導者が口頭で単語を1つ言い、子供が耳で聞いて自分の力で書けるか挑戦します。
傍らには、まとめて置いた規則表をいつでも見られるようにしましょう。
1,2,3!ジャーン!と言って ボードを見せてもらいます。
やった!書けたね!
では、自分で書いた単語を読んでみて。
そのとおり! いま、自分で書いた単語を自分で読んだんだよ!
このようにして、楽しく筆記体で単語を書く作業を 少しずつですが毎週行います。
A B C の順に活動します。トータルで時間にすると45分くらいですね。
1回のレッスンで 最後のCレベルにまで到達し書くことのできる単語数は1つか2つです。焦ってはいけません♪
でも、正確に書けていたら素晴らしいことです。
音から聞いて、規則を当てはめ、自分で考えて 正しい文字を思い起こし、そして筆記体で書くことができる、これがたとえ1レッスンに1単語であっても、お子さんにとっては必ず自信につながっています。
これは、oaの文字を筆記体で書くために何度もお子さんが自主的に練習していた文字です。
しかも、指導を続けるうちに次のような改善効果が表れてきました。
8)眠り落ちそうになっても、筆記体を書くときは目が覚める
9)工夫してかっこよく書こうとすると、言われなくても自然に書く回数が増える
10)最初は 見本を凝視して形をまねするだけだが、だんだん自分の手元を見てなぜ見本通りに書けないのかを考えるようになる
11)手を動かすときのコツを 体得できる
12)線のコントロール力、運筆力が 楽しみながらいつの間にかアップしている
13)練習した単語を使って 書き取りBINGOゲーム( ライティングBINGO)をしてみると、”なんか、手が自然に動いて書いちゃう”という感覚に気づき始めた
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