暗記に頼らず書ける!口元をみて音を正確に特定しよう v?b? th? d?
- hoppeta
- 10月4日
- 読了時間: 3分
アルファベット26文字のもつ音と、組み合わせて作るすべての英語音を学ぶことは、英語の単語をよめるようになるためには絶対に必要な通り道。
ADYSでは 1年以上をかけて 「この文字を見ればこの音」と特定できるようになるまで練習します。
ところが、2年以上たち、ほとんどの音をマスターしたお子さんでも、単語のなかに入っている音を分解して拾い出すのは なかなか大変なことです。
「1文字1音の対応」を学んだあとに、音をつなげ読みをする練習(blending)が必要なのは、このためです。そして、その逆の 聞こえた音のカタマリを 1つずつの音素に分解する練習う(segmenting)が 欠かせません。
実際に単語として音声化すると、独立して聞こえていた音とは聞こえ方が違ってくるからです。
たとえば、こんなことがありました。
cover(覆う、という動詞)をスペルを見せながら、1つ1つ音を確認し、つなげて単語として読み上げます。c-o-v-er のように 音が4つつながって、1つにまとまると coverという単語になることを意識し、あるお子さんが練習したところ、きれいな発音ができました。
直後に「聞いてスペルがかけるか 試してみよう」というディクテーション問題に挑戦してみると、、。
kober と書いていました。
① cとKは同音なので、ここでは「同じ音をもつ文字が選べたので、カナリ良いよ!」とほめポイントです。
② また、oの文字を使って短母音uを表すという 規則外の表記ができた点もかなりの好ポイント。
③ ところが!思いもよらぬ「子音」がトラップだった!
単語の音の途中にvが入っていたのですが、学習者にはbの音として聞こえてしまったようです。
単音の発音練習では、 1つ1つ区切って発声します。 ゆっくり息を止めて 両唇をぴったり閉じてからのバクハツbは、息が弱かったとしても 息を止めずにもらして発音するvとの識別は可能です。
でも、単語中のb vは、前後の母音に包み込まれてしまい、単音として切り出して聞くのはとても難しい、ということがわかりました。
同様に、バクハツ音 d とモレモレ音 thも、単音で発音練習しているときは ハッキリと区別できる音ですが、単語中にこの音が聞こえると 学習者はthをdと聞いてしまうことがあるようです。
さらに 面白い発見がありました。
日本語を母国語とするお子さんは、にている音(dとth、bとv)で迷った場合は、ローマ字表記として 慣れ親しんでいる文字 d , bの方を選択する、ということです。
パッと頭にうかぶスペルは、どうしても 良くローマ字表記で見聞きするbやd。
音が区別しにくい時は、日本語にはないv th を選ぶ「勇気」がなかなか出ずらい、ということでしょうか。あるいは、文字の存在を忘れてしまっている、ということでしょうか。
このあたりの、心理的な理由は 想像レベルにすぎません。研究してくださる方がいたら、ぜひ、取り上げてほしいテーマです。
でも、指導する方々は 学習者にこのような傾向がある、ということを知っておき、
「迷ったら ローマ字を頼る」ではなく、
「迷ったら、指導者や発言者の口元をみて発音を確かめる」というくせを お子さんたちに付けてあげること!
これが「正しいスペル」を実現するためには 大事なのだと 改めて思います!

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