言葉をめぐる 子どもたちの発想にクスっ
- hoppeta

- 11月23日
- 読了時間: 3分
小学4年生のお子さん。
英語のコミュニケーションそのものよりも、文字と音の読み書きの方が好きな様子。
初見の英語絵本(簡単なもの)では、小さい声だけれど 正確によめていることが多いお子さんです。
これまで 1文字1音の対応を中心に学んできましたが、
マジックe
の法則を初めてレッスンで紹介しました。
その例として数はすくないが e-eの単語(とくに 英語圏の名前でよくある例)をとりあげました。
Eve
Pete
Steve
どれも 最後の母音eには音が無く、手前の母音eを「アルファベットの名前読み」で読みます。あえてカタカナで表すと
イブ
ピート
スティーヴ
ですね。下線を引いた部分が 手前の母音のeを日本人が書くときのカナです。
マジックe の法則により、本来のeの持つ音 日本語のカナで書くと「エ」ではなく、文字の名前「イー」の音に変化する、というのが ココの学びの中心でした。
ここからが 話の本題です。
ところが、。。。
ふと、Eveの英語発音を聞きながら、その子が言うには、
「ねえ、どうして本当は イブっていう名前なのに、vの文字を書くの?」
んんん?
その子の主張:
本当の発音は「イブ」なのに、わざわざ b を使わずに なぜvを使うのか。
という趣旨の問いを投げかけたのです。
ほう、ほう。
そういう視点、日本語と英語で 「同じ名前」なのに異なる呼び方をする不思議に、気づいたのですね!!!
b とvでは ハッキリと異なる音である、と正確に聞き分けられているからこそ、出てきた疑問です。すばらしい!
クスっとした理由は、「イブ」という名前は、日本語の発音とカナが ”正しい”と思っていたことです。「イブ」、つまり外国語表記は「Ebe」であるべきではないか。それなのに Eveと表記するのは”間違っている”と、このお子さんが思ったことです。
色々考えていくと、なかなか深い部分があり、Eveさんの本当の名前は 「イブ」か「Eve」か。発音が異なると「異なる名前」になってしまうのか。
。。など、使う人や社会によって考え方も変わるような「哲学」も入っている気がします。
私の教室では 「日本語話者」が「英語」を学ぶ場。
異なる言語のとらえ方も とても大切。また「日本語が世界の中心」であると、そのお子さんがイメージしているかもしれない、と思い、ここは大切な学びだと感じました。。
そこで次のように説明してみました。
「Eve」は本来は英語圏でよくある名前で、もともとの発音がEveなのですよ。
それを、日本語話者が発音しようとしたけれど、vがうまく発音できなかった、vの文字があることを知らなかった、あるいはbに聞き間違えちゃった。それで仕方なく「イブ」と呼んだり、書くようになったのだと思います。」
すると、
「でも、カタカナでヴ があるじゃない。ヴで書けば良かったのに」
とその子は言っていました。
「たしかにね~。いつカナのヴの表記が使われ始めるようになったのか知りたいね。
初めに聞き取った人が ヴの表記法を知らなかったのかもしれないね。」
「外国語の名前を初めて聞き取った人が はじめて書いたカナがずっと使われるようになるなんて、初めての人はめっちゃ責任重大だね~」
とほかのクラスメイトたち。
10代になったばかりの子供たちが このような言語の感覚を見つけてくれるのをとても楽しく思いました。
このなかから、いつか言語学者がでてくれないかなあ~?
楽しみに待っています!





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